時事図解

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築地市場は仲卸のものではない~公設市場である意義~

平成21年2月に発行された『築地市場の移転整備「疑問解消BOOK」』という冊子があります。

築地市場の移転整備 疑問解消BOOK

この冊子を読みながらふと「築地移転は仲卸にとってはメリットはないな」と思いました。

この冊子では築地移転のメリットとして以下の3点を挙げています。(同書15P)

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お母さんのための社会問題講座~築地移転の歴史的経緯について~

本ブログでは今まで主に豊洲新市場の科学除染について取り上げていました。さしあたって、大まかな科学除染については説明できたのではないかと思われます。

残るは地下水管理システムについての説明ですが、こちらはまだ本稼働を始めたばかりですので、これは後回しにしたいと思います。

移転するかどうかのポイント 

最近では、豊洲新市場の建築上の機能評価に対しては、ある程度、関係者の同意がえられてきています。また土壌汚染についても移転延期が無条件で決定されるような大規模な汚染はまず見つからないだろうと予想されます。

そこで今後は豊洲に移転するか、築地を再整備するかという二者択一が迫られてくると思うのですが、その参考として築地の再整備の歴史ついて確認をしてみます。

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お母さんのための社会問題講座~盛り土は何のためにあるの?~

前回の内容からずいぶん間が空いてしまいました。あの後、いろいろと立て続けに報道が行われていたため、しばらく様子を見てから再開しようと思っておりました。

お母さんのための社会問題講座~豊洲の土壌汚染は本当に処理されているの?~ 前編

お母さんのための社会問題講座~豊洲の土壌汚染は本当に処理されているの?~ 後編

お母さんのための社会問題講座~豊洲の汚染水について(1)~

お母さんのための社会問題講座~豊洲の汚染水について(2)~

先日、かがやけTkyo都政報告会 にて生田よしかつさんが仰っていた豊洲風評被害を何とかしたいというお言葉に触れ、微力ながら協力したいと思い、また報道もだいぶ収まってきたため再開の運びとなりました。

your-party-tokyo.jp

今回は豊洲市場で一番の混乱を引き起こした盛り土問題について、そもそも、盛り土は何のための存在なのだろうかというところについて解説していきます。

そもそも盛り土は汚染物質の蓋なのか?

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そもそもの盛り土の目的

最初に知っておかなくてはならないことがあります。豊洲の土地が東京ガスから東京都へ売却された時点で、土壌の表面から50cmまでの部分は処理がしてあったのです。

第一回 専門家会議 資料4 東京ガスが実施した土壌汚染対策 (1.4MB)

さらにこの専門家会議が始まったときはすでに一部の地区では盛り土がなされていました。

すでに区画整理事業が行われていた

土壌汚染に対する調査が始まったとき、すでに豊洲では土地区画整理事業による盛り土がなされておりました。つまり当初は、汚染と盛り土とは直接関係が無かったのです。

かつて東京都の技術職員であった大貫剛さんは以下のようにコメントをしております。

 豊洲の盛り土は「工業用地のため船舶用の低い埋め立て地だったのを市街地化のため高潮や津波を考慮してかさ上げする」ためのものだったのです。

豊洲の土壌利用計画の変遷

このような状態から、専門家会議、技術会議で汚染対策が話し合われ工事が行わました。そして建物が出来上がった状態で確認してみると建物の地下に盛り土が無く、謎の空間ができていました。これがそもそもの騒動の発端です。

ここでは騒動そのものはいったん置いておいて、豊洲の土地はどう利用される予定だったのかを時系列順に把握してみましょう。

東京ガス跡地だった頃

まず東京ガスから東京都へ用地が引き渡された段階では、豊洲の土壌は表面から50cmは処理された土であり、その下は汚染されたままの状態でした。また詳細は後で述べますが、このころは東京都が買収したのちよりも土地の高さが低い状態でした。

専門家会議の当初案

その後、汚染土が問題となり専門家会議が招集され対策が話し合われました。

専門家会議の汚染土壌対策は会議の途中で変化していくのですが、当初の予定としては地下の汚染土壌には手を付けず、上に盛り土をかぶせ、その上にアスファルト等を敷くことで汚染物質を封じ込める予定でした。

つまり「蓋の意味で盛り土をした」のではなく「元から予定していた盛り土に蓋の役割も期待した」という方が正しいのです。さらに言えば、最初から汚染土壌と盛り土の間に砕石層を設置して地下水が上がってこないように管理しようとしていましたので、蓋としての役割も副次的な要素に過ぎなかったのです。

技術会議の想定案

その後専門家会議が進んでいくうちに地下深くに存在する汚染物質も除去する方針が定まりました。

今後東京都がとるべき対策のあり方 (82.9KB)

この決定を受けて具体的な工法を決めていったのが技術会議です。

実はこの技術会議の最中に豊洲の土地全体に盛り土をせず、一部分は空間として残しておく方針が定まっていました。技術会議の資料にもそれが描いてあったのですが、技術会議の長谷川氏は地下空間の認識はなかったという旨の発言しておりますのでそれに従って考えます。

技術会議は専門家会議の方針に従って、地下の「汚染土壌」を浄化する具体的な工法を取りまとめ実施しました。工法については前回までの更新でご紹介した内容となります。

これが予想以上にうまくいき、豊洲の地下は環境基準以下の地下水へと浄化することに成功しました。

この時点で、盛り土に蓋としての役割はなくなり、本来のかさ上げのみが期待される目的に戻ったのです。なお、技術会議は盛り土は豊洲の土地全体に行うという認識だったようです。

現在の豊洲の土壌概況

ところが、建物を建ててから例の「謎の空間」が発見されました。これは現在のところ「メンテナンス空間」という名称で呼ばれております。

なぜこの「メンテナンス空間」が問題になっていたかというと、東京都は知事や都議会に対して「豊洲は土地全面を盛り土で覆っている」という風に説明していたからです。

ところが、第三者の指摘によって「謎の空間」があるという騒動が起き、それを小池知事が「盛り土があるという説明だった。空間のことは聞いていない」と問題視したことで大騒ぎとなったのです。

 

とはいえ技術会議によって地下の汚染は取り除かれています。建物が建つのでかさ上げの必要もありません。したがって理屈の上では盛り土が無くても問題ないのです。

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まとめ

そもそも豊洲のような大型の建物には地下にメンテナンスのための空間は絶対に必要ですし、盛り土の上に建物の建てることは耐震性に著しい悪影響があります。盛り土は無い方が良いのです。

また市場問題プロジェクトチームの佐藤氏によってこの「メンテナンス空間」には様々なメリットがあることも指摘されました。

市場問題プロジェクトチームの佐藤尚巳氏の発言に感動したので主旨を図解してみました

たとえ地下に汚染物質が残っていて地下水の上昇とともにその汚染物質が上ってきたとしても、地下水管理システムやこの「メンテナンス空間」によって二重、三重にも対策が施されています。

したがって「盛り土」問題は安全性の問題ではなかったということは知っておくべき事実だと思います。

 では問題は?

東京都内部での情報共有がまずかったのは事実ですが、それは盛り土の有無とは関係のない事情でしょう。

むしろ地下水管理システムが安定して動くかどうかの方が重要ですが、これは大型の設備ですので調整に時間がかかります。今は見守るしかありません。またうまく動かなくとも対策を取ることは十分に可能です。

また当初と設計計画が変わったのは事実ですし、今現在、移転が中断している間に安全性の再点検することは「安心と安全」両方の面からもぜひやるべき課題だと思われます。

ただし工事計画そのものはきちんと手順を踏んで行われているわけですし、移転が不可能になるほどの重大な過失があるということはまず考えられません。

過度な心配をせずに推移を見守っていくことが重要なのではないでしょうか。

 

本日も良い知見を得られたことを感謝いたします。

「子ども食堂」はやるべきではない。~慈善事業でも経営です~

いきなりですがすいません。

今回の記事タイトルは意図的に意地悪な感じにしました。

子ども食堂をやりたいという人の善意は素晴らしいと思います。

現在、そのために活動なさっている方はご不快になった方もおられるかもしれませんが、よろしければ記事をお読みいただけますと筆者の意図もくみ取っていただけると思います。

どうぞよろしくお願いします。

はじめに

Twitterのタイムラインで何度も流れてきた「子ども食堂を失敗させる方法」という記事がありました。

medium.com

こちらの記事は徳島に住む森哲平さんという方が、徳島市東新町の商店街で約4か月ほど「子ども食堂」を開き、このままでは継続が難しいと閉鎖することを決定した経緯が書かれています。

今回はこの森さんの貴重な失敗談を図解し、併せて私の考察も語っていきたいと思います。いつもよりも考察が多めなのは、私も似たような”失敗”をしたことがあるからです。要約だけ先に書いてしまうと、「食堂」というイメージに固執すると素人ではまず失敗に終わってしまうからやり方を工夫しようね、というお話です。

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おときた都議は山田太郎戦術を継承できるのか~問題は受け皿となるメディアの不足~

前々回

前回

今回は3記事一気の更新となります。お付き合いいただきありがとうございます。

おときた都議は山田太郎陣営のネット戦略を活用できるのか。

ここからがやっと本題となりますが、その前にちょっとだけ寄り道。

今回はおときた都議をテーマにしていますが、この山田太郎Twitter戦略は、たとえば政治家の方や、ネットサービス、企業などツイッターを利用したあらゆるマーケティングにもつながる話だと思います。

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おときた都議と山田太郎氏の政治家属性の違い

おときた都議は「おときた駿ネット応援団」を作成しました。現在ある説明を見る限り、これは山田太郎陣営のネット戦略をそのまま流用したような形式のようです。

ですが、おときた都議と山田太郎氏には政治家として属性が異なっています。この違いはネット戦略に影響を及ぼすことはないのでしょうか。

まずはここから検討してみたいと思います。

山田太郎氏はシングルイシュー、おときた都議は?

山田太郎氏の政策は基本的には「表現の自由」を守るという一点に特化しています。他にも政策はいろいろあり、中にはスギ花粉に対する政策など有権者の声から生まれたものもいくつかあるのですが、基本的にはシングルイシューです。

対しておときた都議はどうでしょうか?

おときた都議はシングルイシューではありません。これは政治家としては当たり前のことで、むしろ山田太郎氏が特異なのです。

とはいえシングルイシューには「ある属性に対して非常に訴求力が強い」という特徴があると思われます。

山田太郎氏がシングルイシューで政党を結党した背景に、「表現の自由を守ることは支持するが政党の他の政策が嫌い」という支持者がいたことが挙げられるそうですが、ヲタク層には「表現の自由をエサに利用されているのではないか」という意識があるような気がします。(少なくとも私が目にした限りではそういう意見が多かった)

ヲタク層は一般的には浮動票と呼ばれる支持団体が定まっていない人々の集まりだと思われます。こういった政治の素人に対してはシングルイシューであることはかなり有効に働きそうなのです。

さらに文字制限の厳しいTwitterなら、なおさらシングルイシューであることは有効に働いたとも考えられます。

 おときた都議のイシューが何かは知名度ほど知られていないと思う。

ところでおときた都議のイシュー(政策)とは何でしょうか?

私の感想ですが、これあまり認知されていないと思うのです。おときた都議を詳しく調べれば色々と出てくるのですが、例えばWikipediaにはこれしかありません。

社会保障費の増加による、若年層の負担増を懸念している。
選択的夫婦別姓制度導入に肯定的。

Wikipediaのページがきちんと編集がなされていないという事情もありそうですが、やはり多くの人にきちんと伝わっていないからこのような状態なのではないかとも考えられます。

それよりも、舛添前知事への追及とか、給与の明細を全て公開しているとか、昨今のテレビ出演とか「メディアを使って派手に暴れまわっている」というイメージの方がはるかに強い。「都のシルバーパス政策に反対しているおときた都議」という風にはなかなか紹介されないのです。この一面だけ見れば扇動政治家と呼ばれるのも無理はない。

 

政策とは、ある面では特定の分野に対する利益供与です。

それは経済的な利益とは限りません。山田太郎氏の場合「表現の自由を守る」という明確な政策があり、オタクにとっては彼を応援するメリットが十分にあった。

翻っておときた都議を応援することには、支持者にとってどんなメリットがあるのでしょうか。あるいはメリットがあると思わせられるのでしょうか。

たとえばおときた都議の特徴ともいえる情報公開も利益供与の一つの形ではあります。それを理由に彼を応援する人も実際に居ます。

しかし情報公開だけでは物足りないような気がするのです。情報公開とは、理想論を言えば「公開されて当たり前」のことです。情報公開というイシューでは、おときた都議と接点のない人々から広く支持を集めるには弱いのではないかと思います。

そしておときた都議はあくまでも東京都議会議員

またおときた都議は東京都の議員であり、山田太郎氏のように国会議員になるわけではありません。首相を目指すと宣言しているので、いつかは国政に打って出るつもりなのでしょうが、それはそう近い未来のことではなさそうです。

坂井氏もインタビューの中で「このやり方が全国比例以外で通用するかどうかはわかりませんけど」と断っています。山田氏の戦略は比例区だから通用したという側面は確かにあると思われます。

山田氏を国会議員にすれば「表現の自由」が守られるという直接的なメリットが支持者にあった。しかし東京都都議では、彼を積極的に応援しても、多くのネット民に特に見返りはありません。

これら政治家としての属性の違いを考慮して戦略を練らないと、山田太郎氏の戦略を流用してもうまく活用できないのではないでしょうか。

Twitter戦略とリアル戦略

おときた都議のリアルでの土台は十分だろうか?

山田太郎氏のTwitter戦略は実に洗練され、また効果があることも山田太郎氏の得票数を見れば一目瞭然です。ですので、おときた都議がネット対策としてこの戦略を踏襲するのは理解できます。

問題はこのネット活動に対応するリアルでの活動です。

山田氏の場合は三年間にわたるコミケでの演説があります。またネットの生放送を毎週行い、そこで支持者との議論を重ねてきました。

 

おときた都議がリアルでの活動をおろそかにしているということは絶対にありません。

ただ現状では、「双方向性コミュニケーションを定期的に図れる場所」というものが見当たらないような気がするのです。これではおときた都議と支持者の間の「政策の循環」が作れず、Twitter戦略も十分に効果を発揮できないのではないでしょうか。

ブログは大きな財産だが…

「政策の循環」を行う土台として、政治家側がネットでの評判を引き受けるプラットフォームは何を選ぶべきでしょうか。

おときた都議はブロガー議員として有名です。十年以上続けているというブログは彼の大きな財産であり、リアルでの大事な土台と言えると思います。

ただこのブログは一方向の情報提供の場であり、双方向性コミュニケーションを図る場所ではないと思われます。

言うなれば山田太郎氏のコミケでの演説のようなものではないでしょうか。

Twitterはどうだろう?

双方向性コミュニケーションの場所として、音喜多氏の場合Twitterでの会話もあります。しかしそこまで活発ではありませんし、実績を蓄積する場所としては適切かどうかは疑問が残ります。Twitterで過去の発言をさかのぼるのは大変です。

第一ツイッターはネット戦略の要であり、リツイートを狙う意味では狙いすましたコメントを厳選して投稿する場所です。リアルでの土台は別に用意するべきです。

ネット番組は現実的だが…

おときた都議は生放送も時々行っているのですが、定期的ではありません。これはおときた都議が精力的に活動しているからこそなのですが、定期的でなければ双方向性コミュニケーションの場としては機能しがたいと思われます。

 

おときた都議がどのようなメディアでネットでの評価をフィードバックさせるかは、今後の課題と言えそうです。

政治家を育てるという体験が共有できる時代

なぜこれほどまで私が双方向性コミュニケーションを重視するかといえば、「自分の意見で政治家が変わる」という体験を提供できるからです。

山田太郎氏も生放送で鍛えられたと坂井氏は言っています。先ほど挙げたスギ花粉に対する政策などはその一つです。

たとえば、政治家が演説で自分が問題提起したキーワードを使ってくれれば支持者は嬉しいはずです。提起した支持者は積極的に政治家を応援しますし、誤解があれば自分から訂正もしてくれるでしょう。

「精鋭部隊になってください」などと言わなくても、自ずから精鋭化していくでしょう。

「政治家は育てるもの」という言葉があります。

かつて、これは政治家に近しい一部の人間にしかできない活動でした。しかし、距離の制約のなくなったネット時代ではそれが誰にでもできるようになったのではないでしょうか。

「おときた駿応援団」は今のままでは情報の押しつけになる

 山田太郎氏のブレーンの坂井氏は「ネットでの情報の押しつけは嫌われる」と言いました。

「おときた駿応援団」で一番問題だと感じているのは、戦略に対するフォローが足りず、どうにもこの「情報の押しつけ」じみた活動に見えてしまうことです。

特に【上級編】はきちんと説明して活動しないと言論狩りのような印象すら受けます。

今は都議会で忙しくて詳細な説明をしていられないのでしょうが、これを放置しておくと不幸な誤解を招く可能性すらあります。

 そもそも、この戦略の本家である山田太郎氏は、シングルイシューであり、明確にヲタク層をターゲットに狙い、彼らの関心の高い「表現の自由」についての活動でしたから、詳細な指示を出さなくても支持者は積極的に動けたのだと思います。

しかしおときた都議は違います。

おときた都議は政治家である限り今後もいろいろなイシューを抱えていくでしょうし、それが支持者にとって最初から興味のある問題であるとは限りません。

ですから「おときた駿応援団」の活動内容については、いずれ詳細な解説が必要になってくるのではないでしょうか。

ファンによる活動が危険だと思う理由

「おときた駿応援団」の内情はまったく把握しておりませんが、おときた都議本人のファンでないと応援団に入りづらい状態ではないでしょうか。

そしてファンと言うのはありがたい反面、危険な存在でもあります。

ファンがネガティブな情報をポジティブに変換させようと思えば、究極的には「おときた都議は良い人だから信じてください」と言うしかない。そこには議論がない。これが「情報の押しつけ」でなければ何と呼ぶのでしょう。

おときた都議の政策(例えばシルバーパス、舟運、LGBTの里親支援など)を分かりやすく提示し、そこに是々非々の議論が発生しないと政策に対する支持者が生まれません。

このままでは「精鋭部隊」は単なる「言葉狩り部隊」になってしまうことを私は危惧いたします。

 

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まとめ

おときた都議がネット上で選挙戦略をするうえで、もっとも重要になってくるのは支持者との「政策の循環」ではないかと思います。

現状、おときた都議が発信する情報は不足するどころか多すぎるほどで、むしろ情報の厳選に力を割くべきかもしれません。

さらにはネットでの評価の受け皿となるメディアをいかに構築し、有権者との双方向性コミュニケーションをどう図っていくかが今後の課題となるのではないでしょうか。

私からの雑多な提案

以降はおときた都議に対する私の勝手な提案です。

基本的に無関係の第三者の意見は無責任なものです。さらに私は政治活動について何ら知見があるわけでもありません。ここまでの長文に免じて、単なるアイデアを書かせていただくことをお許しください。

まずは毎週の番組

たぶん、最初から一番厳しい提案だと思います。

おときた都議は不定期ながらニコニコ生放送で番組を行っています。おそらく多忙ゆえになかなか時間が取れないのでしょうが、やはりネットでの双方向性コミュニケーションならば生放送は外せないと思われます。

できれば生放送、そうでなくても録画でもよいので、有権者との政策コミュニケーションの場が必要ではないでしょうか。たとえば、山本一郎氏との「真夜中のニャーゴ」での対談などはとても面白かったし、ためになりました。

www.houdoukyoku.jp

ブログに分かりやすい政策のつぶやきボタン

山田太郎氏も行っていましたがやはり画像を引用リツイートする戦略は非常に有効だと思われます。(以下は画像なのでRTはできません)

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このような形で政策をリツイートできればとても良いと思われます。

実は調査不足ですでにやっていたら、ほんとごめんなさい。

「おときた駿応援団」の改名

政治家の支援者団体に「応援団」と名をつけるのは割とよくある名称だとは思います。

しかし応援団と言うとどうしてもファンの集まりのように感じられ、おときた都議と政策についてコミュニケーションできる場所という感じがしません。

リアルでの団体ならこれで良いかなとは思うのですが、ネット上の不特定多数を相手にする団体の名称としては堅い表現かなとも思います。

 

ネット上に支持者団体を作ること、それはとても良いことだと思います。

ですが、それは「応援する」だけでなく「積極的に関われる」ものであってほしい。

 

私はおときた都議の「物事を是々非々で挑む」というスタイルにはとても賛同しております。またおときた都議に関しても支持者が何かを考えているかについて理解できる場所がネット上にあることはメリットのように思われます。

 

おときた都議は活動中の政治家ですから、ある政策に対して意見を言いたくないときもあるでしょうし議論に参加するのが難しいときもあると思います。

ですが、少なくとも支援者のコメントはすべて目を通しているよ、という信頼関係があれば「本来、主義主張は異なるけども、自分の意見を聞いてもらいたい」という人でも参加しやすくなるとおもうのです。

支持者の間での議論の中で出たアイデアをおときた都議がワンフレーズだけでも取り上げてくれれば、議論に参加した人は自ずと「精鋭部隊」となるはずです。

私ならこんな名前を付ける

そこで「おときた駿応援団」という名前を改め、都議が使っているキャッチフレーズをもじり、

 

「おときた駿をアップデートする会」

 

という名称はいかがでしょうかと愚考する次第です。

 これなら今はおときた都議と政策観が違う人でも入りやすく、かつ積極的な発言を促せます。むろんTwitter戦略はきちんと伝えて協力してもらうことが入会条件となります。

言葉の力というのは案外馬鹿になりません。

おときた都議の政策がアップデートされ続けていくのはとても良いですし、都議から国会議員へのアップデートが目標ならば、今のうちから応援しておくのも悪くないかと思う人も出るのではないかと思います。 

 

 以上、長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

 本日もよい知見が得られました。

 

※どうでもいい余談

 ちなみに支持団体名称の次点は「おときた団」でした。

山田太郎氏のネット選挙はなぜ成功したのか~候補者と支持者との「政策の循環」~

前回の長文、読了いただきありがとうございます。今回はその続きになります。

山田太郎氏のネット選挙は誰にでも真似出来るものではない。

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そもそも山田太郎氏はどんな人物か

山田太郎氏はもともと実業家でした。

職歴を見てみると、ちょっと一言では言い表せないくらい色々な会社を渡り歩いているかなりのエリートです。とても「オタクに媚びた政治家」とは思えないキャリアですね。

政策の印象だけで判断してはいけません。(自戒)

山田太郎 (参議院議員) - Wikipedia

前回の記事では山田太郎氏のことを無名の中年候補と紹介していましたが、実は山田氏は一度国会議員を経験しております。なぜ国会議員を経験した人物が無名と紹介されたかというと、みんなの党から比例代表で出馬したものの落選、その後上位当選者が衆議院選挙に立候補したため繰り上げ当選したという経歴があるためです。

たしかに、これでは知名度はあまりないという紹介は間違っていませんね。

そしてこの山田太郎氏が2016年の参議院選挙においては「表現の自由を守る党」を結党し出馬しています。(ちょっと前後の事情は省略しています)

表現の自由を守る党とは

その名の通り「表現の自由」を守ることを政策として掲げる政党です。批判を受けやすいマンガ・アニメ・ゲームと言ったいわゆるオタクが好むメディアへの表現規制に一貫して反対の立場をとっています。

Wikipediaによれば、山田氏は「シングルイシュー(一つの政策)で表現の自由を守っていくパーティというかグループは必要だろう」と結党した理由を述べており、今でも(現在は「表現の自由を守る会」と改名)ほぼシングルイシューでの活動を続けており、賛否の激しく分かれそうな政策は取り扱っていません。(例えば憲法改正など)

2016年の参議院選挙に出馬

話が前後しますが、山田太郎氏は2016年の参議院選挙に比例区で出馬しました。

なぜ彼が比例区を選択したかといえば、やはり彼の選挙戦略があると思われます。

特に解説が無いためここは推測になりますが、特定の地盤を持っていないため、一つの地区に縛られるよりもネットを利用して全国から広く浅く票を集める方が有効だと判断したのではないでしょうか。

結果29万票を獲得したのですから、この戦略が正しかったことが証明されています。

山田太郎氏の政治活動について

卓越したTwitter戦術で選挙戦を戦い抜いた山田太郎陣営ですが、その背後にはリアルでの地道な活動がありました。このリアルでの活動があってこそのネット戦術だったのではないかというのが今回の記事の考察になります。

コミケ会場で演説をし続けた

山田太郎氏は三年間、コミケ会場でオタクに向かって演説をし続けました。

最初は批判も多かったそうですが、次第に応援してくれる人も増えていったそうです。

とはいえ、あの会場で演説をやり続けるのはとても大変だったのではなかろうかと思われます。

毎週水曜日に1時間番組を3年間やり続けた

さらにすごいのがこれで、山田太郎氏はネットを通じて1時間番組を3年間やり続けました。ネットでの生放送なので、ユーザーからの反応がリアルタイムで表示されます。このネットの醍醐味である双方向性のやり取りによって山田氏は鍛えられ、また支持を獲得していったのです。

そしてネット対策

このようなリアルでの活動実績と同時並行して行われたのがネット対策です。

おときた都議が「おときた駿応援団」にて参考にしたTwitterを利用したネット戦略でもあります。

 

この戦略は、「候補者に関する情報の「総量」を増やすこと」を目的としています。そのために支持者にネットの選挙活動に少しずつ慣れていってもらい、ゆくゆくは自分のポジティブな情報を拡散してもらいネガティブな情報を訂正してもらう「精鋭部隊」になってもらうことを最終目標とします。

 

私なりに解説を入れながらその戦略を具体的に見ていきたいと思います。

初級編

まずは支持者に候補者本人のつぶやきをリツイートしてもらいます。

これは普通のネットでの選挙対策と言えます。

中級編

前回の記事にある通り、1つのアカウントに対して同じリツイートは1回しか表示されません。そのため、支持者自信の言葉で候補者についてリツイートしてもらいます。

ここで上手だなと思ったのは、以下の戦術です。

とはいえ、ゼロから自分の言葉でつぶやける人ばかりではありませんから、画像をクリックすると例文とともに、画像を添付してそのままつぶやける仕組みを用意しました。15種類ありますから、すべてつぶやいてくれれば相当な量の情報がTwitter上に流れることになります。

HPに「クリックすると自動的に画像付きのつぶやきができる仕組み」を作り、それを使って支持者につぶやいてもらうのです。

この仕組みはとてもうまいやり方だと思います。

上級編

ここで問題の「精鋭部隊」の話になります。

候補者を強く応援する支持者集団「精鋭部隊」には、候補者のエゴサーチをしてもらいます。エゴサーチとは自分で自分の名前を検索することですが、この場合は候補者の名前をTwitterで検索することが該当する行為となります。

 

このエゴサーチの結果は山田太郎陣営も当然行っており、山田太郎氏は常に自分に対するネットでの評価を確認しています。選挙中は特に、その評価を踏まえて演説をしたり生放送の番組を行ったりしていました。

ポイントは循環

山田陣営の真の戦略ははネットとリアルで情報をぐるぐると循環させることにあるのではないでしょうか。

その中で、支持者との信頼関係を築き上げ、さらに山田太郎氏本人の政治家としてのスキルアップにもつなげていく、それがこの戦略の神髄にあると思われます。

 

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山田太郎陣営のTwitter対策はとても洗練されたものです。しかしその裏には山田太郎氏本人の地道な活動が土台にあったことを忘れてはいけません。単に洗練されたTwitterマーケティングによって大量得票を稼いだわけではないのです。

 

山田太郎陣営のブレーンであった坂井氏はネットは究極的には「聞く」ためのツールであると言っています。

事実、選挙中に山田太郎氏の政策は候補者と支持者の間を循環し続けたのです。

それに対応できる仕組みがすでにあったことが山田太郎氏の強みだったのではないでしょうか。

山田太郎氏が29万票も獲得できた理由、それは有権者との双方向性コミュニケーションの重要性を理解していたからなのです。

次回に続きます。

山田太郎氏のネット選挙戦術は他業種でも参考になる素晴らしいTwitterマーケティングでした。

先日、豊洲問題でご活躍中のおときた駿都議が「おときた駿ネット応援団」というものを結成し、団員を募集し始めました。

otokitashun.com

ちょっと引用すると

 

 ネット応援団の活動目的は「ネット上における『おときた駿』のポジティブな情報量を増やすこと」です。単純にいえば、Twitter検索で「おときた」等とサーチしたら、良い情報がいっぱい出てくる状態になることが一つのゴールと言えます。

 

これがこの組織の目標です。

主な活動はSNS(主にTwitter)でリツイートをかけたりすることのようです。

この中で特に驚いたのが以下の文章でした。

 

おときた駿に対する誤った情報や誹謗中傷などがあれば、それを訂正・反論するつぶやきを行なってください。批判を目的とする人を個別に本人が相手にすることはできない一方で、誤った情報を放置していると思わぬ形で広がってしまうことがあります。

 

活動の【上級編】とはいえまるで言論狩りのような印象すら受けます。大丈夫なのでしょうか、心配になります。

とはいえここで思考停止してしまっては結局相手のことを理解できないままです。なぜおときた都議がこのようなことを始めたのか、きちんと理解してみようと思ったのが今回の図解のきっかけです。

 

始める前に

相手が現役の政治家ですから、やはりここはおときた都議に対する私の立場を明確にしておきたいと思います。興味ないよという方は飛ばしてください。

おときた都議の支持者ですか?

いいえ、私はおときた都議の支持者ではありません。

別におときた都議が嫌いとかそういう理由ではなく、埼玉県民である私にとって東京都議員であるおときた都議の活動は特に何の関係もないからです。

支持するorしない以前の問題です。

では、おときた都議に対する評価は?

好き嫌いの話になるとけっこう好きな部類に入ります。

まず情報公開に対する態度はとても誠実だと思いますし、その行動力には頭の下がる思いがいたします。そういう意味では「狭い意味での支持者ではないが、広い意味では支持者」とも言えるかもしれません。言葉遊びかも知れませんが。

 

炎上政治家、扇動政治家などという評価もあり、それはある意味事実だと思います。

政治家が行動する以上、そういった批判が起こるのはむしろ当然であり、それよりも必ず抗議ができる位置に彼が居続けることは批判的な方でも意識してあげるべきではないかと思います。ネットで活動し続ける限り逃げ場所はないですから。

扇動の件で彼のことを嫌っている人はきちんと抗議を送れば良いと思います。

私の今回の記事もおときた都議の行動に疑問を覚えたのがきっかけです。

なぜおときた都議に注目するの?

それは彼がネットを使った政治活動をしているからです。

最近、特に感じていることですが、ネットには日本中の英知が集まります。

豊洲問題でさえ、築地に勤めている仲卸の方から土木技術者、一級建築家、さらには反対派の意見までもが集まってきます。それぞれ一級の知見の持ち主ばかりで、私のような者にはありがたい限りです。

これらの周知を集めて政治に活かせたら何かが出来そうな気がします。その何かに今一番近づいている政治家はおときた都議だと思うのです。だから私は彼に注目するのです。

おときた議員が参考にした山田太郎陣営のネット選挙とは

さてここからが本題です。

おときた都議が「おときた駿ネット応援団」を結成するにあたり参考にしたのは、2016年の参議院選挙での山田太郎候補のネット選挙運動でした。まずは彼がどんな選挙運動をしていたのか、私なりに図解してみました。

 

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無名の中年候補参議院選挙で29万票集めたという事実

まず山田太郎氏について。

詳細は次回に譲りますが、2016年の参議院選挙において「表現の自由を守る党」を結成し比例区に出馬。「表現の自由」に関心の高いオタク層をメインターゲットとしてネットでの選挙活動を実施。参議院選挙では29万票という野党の中では最大の個人得票数であったものの、比例代表の仕組みによって落選しました。

大量得票の鍵はTwitterの使い方にあった

この山田太郎陣営でブレーンとして活動した坂井崇俊氏に対して、おときた都議は選挙戦略に対するインタビューを行っています。今回の「おときた駿ネット応援団」もここからヒントを得たようです。文中の引用はすべて以下の記事からのものです。

go2senkyo.com

 

山田太郎陣営はネット対策の中でも特にTwitterを重視しました。

それは「表現の自由」に関心のあるヲタク(文中の表現)層は、匿名を好むからという理由のようです。

またおときた都議もTwitterは「手の届かなかった多くの人にリーチしていくという「攻め」」に向いていると発言しています。

「発信力」を高めるだけでは意味がない

インタビューの中で坂井氏は「ネットで「発信力」を高めるだけでは意味がない」と言っています。なぜならばネット上では「情報の押しつけ」は嫌われるからです。

そこで山田太郎陣営が取った戦略は以下のようなものでした。

 

1、「発信力」を高めるだけでは意味がないため

2、(仕組みを作り)フォロワーが自発的につぶやけば

3、(フォロワー以外の)タイムラインが関連の発言で埋まる(現象を起こす)

 

この戦略を読んだとき、私は「単なる選挙戦略ではなく、現在のTwitterにおいてはあらゆる業種が参考にできるマーケティング戦略だ」と感じました。

1、「発信力」を高めるだけでは意味がない

インタビュー中、おときた都議は通常の選挙のネット対策セオリーをこのように発言しています。

通常、Facebookであればどれだけ「いいね」を獲得してシェアしてもらうか、Twitterであればフォロワーを増やしてRTしてもらえるか。つまり「発信力」を高めるのがセオリーですよね。

Twitterの使い方に関しては言えば、「フォロワーを増やしてRT(リツイート)してもらう」ということが通常のセオリーというわけです。

ですが坂井氏はネット上では「情報の押しつけは嫌われる」と言い、このフォロワーを積極的に増やすという戦略を積極的には取りませんでした。

その代わりに採用したのが「(山田太郎の)フォロワーが自発的に呟く仕組みを作り上げる」という作戦です。

2、フォロワーが自発的につぶやけば

なぜフォロワーが自発的につぶやくと良いのでしょうか。

私はインタビュー中の佐藤氏の言葉から3つのポイントがあると感じました。

①フォロワーのフォロワーにも発信できる

選挙中、山田氏のフォロワーは3万人程度だったようです。もし山田氏が何かをつぶやけば、その3万人につぶやきが届きます。

しかし、情報の伝播はそこでおしまいです。

そこで山田太郎陣営はフォロワーのフォロワーも「フォロワーが自発的につぶやく」仕組みを作れば実質的なフォロワーになるのだと発想を広げたのです。

フォロワーは3万人でも、自分たちの言葉で山田さんのことを応援してくれる人たちのそれぞれのフォロワー数を足していけば、数万にも数十万にもなるかもしれない。

ちょっと格好をつけてマーケティング用語を使えば【潜在顧客】の存在に気付いたと言えるのではないでしょうか。

②何度も投稿を表示させることができる

このプランの一番の白眉はここです。

通常、1つのつぶやきはどんなにRTされても1つのアカウント上では1回しか表示されません。しかし引用リツイートという形でコメントを添えてRTすると、1つのアカウントに何度も最初のつぶやきが表示されるのです。

 

何度も何度も繰り返して広告を見せることで、相手に強い印象を与える戦略があります。【単純接触効果】とかサブリミナル効果とか言いますが、何度も相手に同じものを見せると、表示されたものに対して抵抗感が薄れ、かわりに興味を持つようになります。

 

現状のTwitterでは、先述の通り、通常ですと1つのアカウントに1回のRTしか表示できませんでした。例外は広告を出すことです。

ところが複数のフォロワーが自発的につぶやいてもらえれば、彼らと近しい誰かのアカウントへ【単純接触効果】を狙うことが可能になるのです。

③お礼を言うことで精鋭部隊を作り上げる

さらに山田太郎陣営はアフターフォローもしっかりしていました。

コメントをつけてRTしてくれた人にお礼を徹底したのです。

坂井)なので、宣伝してくれたことに対してお礼を言うことなどを意識しました。山田太郎さん本人にRTされたり、引用RTでお礼などをされるとされる側は嬉しい。それで、もっと山田太郎さんのことを応援したくなる、色々な宣伝をつぶやいてくれる。

これもマーケティング用語ならば【顧客ロイヤルティ】の向上を目指した戦略といえます。引用にもありますがRT元の本人から声がかかれば誰だって嬉しい。

もちろん、声をかける方は大変です。でもそれをやった。

するともともと山田太郎氏に興味を持っていたフォロワーは「精鋭部隊」となります。山田太郎氏が何かつぶやけば積極的にコメント付きでRTしてくれますし、山田太郎氏に対する誤解があれば、進んで訂正してくれる。ものすごい勢いでポジティブな情報が伝播されることが期待できます。

3、(フォロワー以外の)タイムラインが関連の発言で埋まる

このネット対策が成功すると、山田太郎氏がつぶやけば彼の直接的なフォロワーはおろか、フォロワーのフォロワーのタイムラインまでもが関連した発言(投稿)で埋まることになります。

するとフォロワーのフォロワーまで実質的なフォロワーとなり、結果として数倍、数十倍のフォロワーを獲得でき、結果、自分の政策を他の候補を圧倒する規模で広めることが可能になったというわけです。

山田太郎陣営はフォロワーに、自分の言葉で呟いてもらうことで他の候補を圧倒する情報の総量を得た、のです。

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ひとまずのむすび

私は山田太郎氏についてはあまり良く知りませんでした。

噂で「やたらオタクに訴えかけてくる政治家がいる」というふうに聞いたことがある程度の存在でした。

しかしこのインタビュー記事を読み、なんて的確なマーケティング戦略を行ったのだろうかと大変に感心しました。

おときた都議が参考にしたくなるのもうなづけます。

冒頭でも書いた通り、このTwitterマーケティングは、あらゆる業種に応用が利くと思います。今後、私もリツイートするときは可能な限りコメントを付けた引用を心がけたいと思いました。

 とはいえ、これをおときた都議がそのまま踏襲するのが正しいことなのかどうか。

次回は山田太郎氏とおときた都議の違いから、「おときた駿ネット応援団」の考察をしてみるつもりです。次回と言いつつ、同時に公開するんですけどね!