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宰相ミッターマイヤー

余計な前置き

本当は別のことに使うブログのつもりでしたが、いろいろと予定が変わってしまい、このブログでやるべきことがなくなってしまいました。せっかくなので、何かやりたいなと考えた結果、アニメもあることだし、銀河英雄伝説の今まで溜め込んでいた妄想などをつれづれと書いてみることにしました。

ファンサイトであまり見ない、歴史上のある場面でのifや、もしも続きがあったならというある意味タブーに触れてみたいかと思います。

 

 

宰相ミッターマイヤー

銀河英雄伝説は皇帝ラインハルトの崩御で幕を閉じ、それ以降は描かれないことになっています。

この最終局面で、銀河帝国の至宝ミッターマイヤー元帥は国務尚書への就任を打診されています。ミッターマイヤーがこれを引き受けたかどうかは謎のままで物語は終わるのですが、どうなったかは実に興味を引きます。

 

ざっと調べたところ知恵袋にこんな記事がありましたね。

 

要約すると、バイエルラインが後継者と言われるくらいなら、宇宙艦隊司令官のままであったろうという記事です。

 

ただ、私の意見は違います。

ミッターマイヤーは国務尚書かどうかはさておき、政治の舞台に足を踏み入れざるを得なかっただろうと思います。

 

理想の上司ミッターマイヤー

まず、ミッターマイヤーの人となりですが、清廉潔白にして剛直。作戦能力は極めて高く、忠義にも人望にも篤いという「理想の軍人」を絵に描いたような人物です。その上話も分かる。

私はよく彼を「理想の上司」と言っていました。

 

彼についていけば、異常な速度で昇進できます。部下を無駄に死なせるようなことも無いでしょうし、彼自身が軍人の最高峰まで勤続15年ほどで駆け上がってます。ありえない昇進スピードです。運も相当にあったことでしょう。

 

そして、理想の人格者であるがゆえ国務尚書への打診までされてしまったミッターマイヤーですが、本人自体は軍人でありたいと思っています。

 

ラインハルト死後の政治状況

ただ、時代がそれを許さないと思うのです。

ラインハルト死後、王朝の運営は皇帝親政から高官による政治運営へと変更を余儀なくされると思われます。生き残った人材で政治ができそうなのは、皇妃ヒルデガルドとその父親マーリンドルフ伯だけなのですが、ヒルダは摂政とはいえ子育てがありますし、後世の影響を考え、皇妃が目に見える形で政治に介入することを良しとするかどうか。マーリンドルフ伯も自身の外戚化を恐れています。

とはいえほかに人材がいないので、なんだかんだ言ってアレク大公が成人するまでは、この二人が今後の政治の中枢でありつづけるでしょう。

 

問題は彼らに武力的な後ろ盾がないということです。

 

ローエングラム王朝の特徴として、著しい武断的気質が挙げられます。要するに軍人ばっかりが強くて、文官に人材もいなければ地位も低い。そのため発言には武力による裏付けが必要です。 この際、「獅子の泉の七元帥」の人格は関係ありません。制度が未熟なのが問題なのです。

 

そもそもラインハルトは自身で政治を行っていました。高度な政治判断ができる官僚を育てる時間もなかったですし、つもりも当分なかったでしょう。そしてそのまま死んでしまいました。

結果として、軍部がかなり精密な組織を持ち高い発言権を得ていたのに対し、文官はおそらく権限的に中級官僚どまりだったのではないかと予想されます。ラングが後ろ盾にオーベルシュタインを使っていたのがその好例です。

 

そして王朝の実質的な最高実力者たる七元帥は同格の立場です。意見が対立したときには首席であるミッターマイヤー以外、裁定ができる人間がいないのです。

 

このような状況で王朝を守るためには、ミッターマイヤーはたとえお飾りであってもヒルダ達側、すなわち文官側に立たざるを得ない。遅かれ早かれミッターマイヤーはそのことに気づいて、国務尚書、あるいは宰相の地位に就いたと思われます。

 

最後に後任の宇宙艦隊司令官は誰がなるのかという問題ですが、しばらくはミッターマイヤーが兼任するしかなかったのではないかと思われます。七元帥が同格ゆえ、実質的な武力の最高権力者を任せるのに適任がいない。

「ナンバー2不要論」は絶対的なナンバー1いてこそなんですね。

 

宰相(国務尚書)が実際の武力の実権まで握るのは王朝の運営上、けっして良くないことなのですが、ミッターマイヤーの優れた人格がそれを許容させたでしょう。とはいえ、非常に危なっかしいです。というかギリギリアウトのライン超えちゃってると思います。

 しかし、記述を見る限り、ローエングラム王朝は短命ではなかった様子ですので、やはりミッターマイヤーは頑張ったのでしょう。

 

そう、ローエングラム王朝の実質的な二代目皇帝はミッターマイヤーだった。

これが私の意見です。