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アリティア脱出! アリティア騎士団が最初に選んだ落ち延び先は?

我々が知る「暗黒竜と光の剣」の物語は、マルスがタリスから挙兵する場面から始まります。辺境の島国タリスだからこそ、マルスは生き延びることが可能だったのは疑いようもありません。

 

しかし、アリティア騎士団は最初からこのタリスを落ち延び先に選んでいたのでしょうか?

 だとしたらその理由はなんだったのでしょうか?

アリティア軍敗北。そのときマルスはどこに?

4代目アリティア王コーネリアスが命を落としたのはメニディ会戦でした。

ではそのとき、マルスはどこにいたのでしょうか?

居場所によって逃走ルートは大きく変わるはずです。

 

可能性① メニディ会戦に参加しそのまま陸路で逃走した。 

漫画などのメディアミックス作品の中には、マルスが父コーネリアスとともにアカネイアに向かって従軍していたという描写のあるものがあります。(箱田版ファイアーエムブレムなどが印象に残っています)

 

しかし、これは父の死を目の当たりにするという悲劇性を強調するエピソードでしかなく、真実ではない可能性が高い。

 

理由は二つあります。

まずはなんといってもマルスの年齢です。当時マルスは13歳でしかありません。従軍するにはさすがに早すぎる年齢です。

 

つづいてアリティア王家の特殊性が挙げられます。

 

ドルーア皇帝メディウスを倒すにはファルシオンが必要だということは、おそらく庶民でも知る常識だったでしょう。

そしてアリティア王家の当主だけがその血統によってファルシオンを扱えるということも、多くの人が知っていたはず。

すなわちアリティア王であるということは、対竜族の決戦兵器であるという意味に等しい。

 

暗黒戦争でメディウスが復活していることが周知の状況で、死と隣り合わせの戦場に親子揃って出向くことは周囲が許さないでしょう。どちらか一方が不慮の事故で亡くなっても、もう片方が生きていれば、人族にはまだ希望が残されるのですから。

 

つまり、マルスのメニディ会戦の参加はほぼありえない。

可能性② アリティア城内におり、海路で逃走した。

可能性①で検討したとおり、私はマルスはまず間違いなくアリティア国内で父の死を知らされたと思っています。

DS版「暗黒竜と光の剣」も城内にいた描写がなされてますが、事実、あのような状況ではなかったかと。(ただし当ブログではDS版は史書ではなく小説の類で資料的価値はないという基準で考察しています)

 

では脱出行を指揮したのは誰か。無論ジェイガンです。

 

当サイトではジェイガンは船乗りだったと考察しています。アリティアは島国です。

当然、脱出逃亡は船が使われたはずです。年齢、実績、経験のすべてが揃い、なおかつ船を操れるジェイガンに白羽の矢が立たない理由がありません。

 

ところで当初からタリスに落ち延びる予定だったのだろうか?

さて、大任を任されたジェイガンですが、彼は最初からタリスを目指したのでしょうか?

 

ジェイガン自身がタリスに人脈を持っていた可能性がありますが、船で行くにはあまりに遠い土地です。

 

また、タリスにいては諜報活動が難しいという事情もあります。

なにしろタリスはアカネイア大陸の東端です。そもそも陸の交易はデビルマウンテンに阻まれ絶望的ですし、主力事業であろう海の交易も交易路の終着点。

 

船乗りの情報伝達力は凄まじいものがあるでしょうが、それでもわざわざ選んで辺境に行く必要はない。少なくとも、落ち延び先候補としての順位は下の方であったと予想されます。 

 有力な落ち延び候補

落ち延び先の条件として考えられるのは1)反ドルーア帝国であること、2)ドルーアに対抗するだけの兵力を募集できるところ、ということでしょうか。

 

この条件に対するジェイガンの選択はどうだったか。

 

逃亡先としてまっさきに候補に挙げられそうなのはアカネイア本国です。

結論から言えばアカネイアはグルニアによって倒されてしまいますが、脱出当時はまだ健在でした。一敗地に塗れたとはいえ、まだまとまった兵力はあったはず。保護や援護を頼んでもよさそうなものです。

 

しかし、ジェイガンはその選択をしませんでした。

遅かれ早かれアカネイア王国が崩壊すること、周囲に存在する有力な五つの貴族たちが便りにならないことを知っていたのでしょう。既にラングのような人物は裏切っていたかもしれません。

 

次に考えられるのはオレルアンです。

オレルアンはその後、解放戦争の主力となったくらいですから、こちらもまとまった兵力は存在していることは確かです。また当時は暗黒戦争に参加していませんでした。

 

しかし逆を言えば様子見をしているということでもあります。

保護を求めてもいつ裏切られるかわからない。マルスは大陸一の賞金首です。わずか数十人の手勢ではマルスを守りきれません。

 

可能性としてはペラティもありますが、そもそもペラティは治安が悪く、また人族に対して排他的なので、あまり有力な候補とはいえません。

 自治の誇りを持つ港町ワーレン

そこで私の推論なのですが、 ジェイガンが目指した落ち延び先はワーレンだったのではないか。

 

第一の理由として人の出入りの激しい港町であること。

港町なら、わずかな人数が上陸してもさほど目立ちませんし、ジェイガン自身が船乗りとしてワーレンを熟知していた可能性が高いです。なにも街中に潜伏しなくても、郊外に潜伏し、情報収集のときだけワーレンに出向けばいい。港町ですから情報収集は容易です。

 

第二の理由として、アリティアの商館があった可能性です。

当サイトではアリティアは海運国家であったという可能性を指摘していますが、それならば国外で商人たちが利用する商館がなくてはなりません。

この場合、商館とはただの商人の寄合所ではなく、現在の大使館的な位置づけです。

 

あまりストーリーに絡むことはありませんが、アリティアにはモロドフ伯という人物がいます。正直、あのような高齢な人物がマルスの脱出行に参加できたとは思えないと常々思っておりましたが、ワーレンの商館の責任者だったとしたらマルス軍に従軍していた理由も納得できます。すなわち、補給・経理の責任者として脱出後に合流したというわけです。

 

商館があれば、軍資金や物資の調達も容易になります。「暗黒竜と光の剣」で解放軍がワーレンに立ち寄ったのも、アリティアの商館を利用していたからと考えるとストーリーに膨らみが出ます。

 

第三の理由として、ワーレン自身の自主独立性の高さです。

ワーレンは、アカネイア王国がドルーア帝国の支配下にあった状況でも、高額の貢納金を払ってまで独立を保ち続けました。それだけ、独立していることに誇りを持っている都市なのです。ここなら、ドルーアの追及の手から逃れるのも比較的容易だと思われます。

 

以上が、私がマルスの落ち延び先としてワーレンを推す理由です。

 

そして、状況証拠的に、マルスがタリスにつながったのもワーレンに潜伏していたからだと思っています。

 タリスも島国ですから、当然ながらワーレンと交流を持っていたでしょう。

 

――どこからかアリティアの王子の噂を聞きつけたタリス王が。潜伏先のマルスをオグマ一人を伴ってやってくる。

 

そんなドラマが実はワーレンであったのかもしれませんね!