キルヒアイスが生きていれば(1)
(1)と書きましたが、(2)以降はいつ書くかは不明です。
銀英伝を読み返して思ったのですが、リップシュタット戦役にてラインハルトはキルヒアイスに辺境星域を平定させていましたが、これは普通に考えれば、明らかにミスですね。
辺境星域での功績は、ラインハルト自身に匹敵するものとして捉えられています。
もしも、無事にこの戦役が終わったとしたら、ラインハルトはキルヒアイスの処遇をどうするつもりだったのでしょうか?
キルヒアイスは当時上級大将、ラインハルトが元帥でしたので、階級を上げてしまうと同格ということになってしまいます。かといって、ミッターマイヤーらもリップシュタット戦役後に上級大将に昇進していますので、キルヒアイスを昇格させなかった場合、功績と昇格が釣り合わないことになってしまいます。
ラインハルトとしてはもしかしたらキルヒアイスと全て分かち合うつもりで元帥への昇格を考えていたのかもしれませんが、これ、組織にとっては混乱の元ですよね。
言ってみれば会社に社長が二人いる状態ですから、どうやったって問題が起きます。
なんと、オーベルシュタインの「ナンバー2不要論」は正しかった。
という結論はありきたりでなんだか面白くないので、もしキルヒアイスが生きていたらラインハルトはどうするつもりだったのかをもう少し想像してみます。
リップシュタット戦役後、ラインハルトは次は政治の世界でリヒテンラーデと戦うことを念頭においていました。皇帝を目指すラインハルトとしては、目下最大の敵ですからね。
となれば、ここで大胆な仮説ですが、ラインハルトは軍人を引退して政治家になるつもりではなかったのか。元帥の位は保持したまま、引退し、キルヒアイスを軍部のトップに据えるつもりではなかったのかという予想ができます。
元帥のまま軍事活動をしてない先例は、例えばリップシュタット戦役で戦ったブラウンシュヴァイク公爵などがそれに当たりますね。先例はあるわけですし、十分に可能なことなのでしょう。
キルヒアイスの力量は誰もが認めていましたし、ラインハルトが政治家になるなら、誰かは軍部をまとめる必要があります。そんなとき、キルヒアイスはまさにうってつけの人物です。絶対に裏切りませんからね。
この計画をラインハルトはオーベルシュタインに話していたのでしょうか?
オーベルシュタインは「組織にナンバー2は必要ない」とは言ってましたが、ラインハルトが組織を離れるなら、むしろ自分の分身は不可欠だと思います。
軍部にキルヒアイス、政務にオーベルシュタイン、秘書にヒルデガルドという鼎立状態はむしろ「この三人だけで宇宙とれるだろっ!」という状態だと思うのですが。
オーベルシュタインに足りなかったもの、それはコミュ力w
という結論はいかがでしょうか。