築地移転問題について、山田俊浩記者と意見交換をしてまいりました。
8月15日。サンケイビズの高論卓説という記事に、豊洲市場用地を築地8丁目にしたらどうかという記事が掲載されました。
8月19日金曜日に東洋経済新報社のメールフォームに問い合わせを行い、21日月曜日にご回答をいただきました。その節はありがとうございました。
その後、話を伺いたいというお申し出がありまして、東洋経済新報社にて当該記事の執筆者である山田俊浩記者とお話ししてまいりました。
その場で申し上げたことは、記事中にあった虎ノ門や新木場の地名変更と、豊洲を築地に変更する件では、全然ケースが違うというということ。そもそも市場の両立については制度や国の方針そのものが、築地と豊洲の両立を許容できる内容ではなく、「制度上無理であること」をまず指摘すべきだという2点をお伝えしてきました。
面談用に急遽作ったので雑な図ですいません。
山田記者は、「自分も名古屋で、古い地名を復活させる運動を取材したことがある。郵便事業の都合で古い地名を廃止し簡素化してしまったが、地名にはその地域の歴史があり、人々の愛着もある。大切にしなくてはならないと知っていたはずなのに軽率な文章になってしまった。自分の意図としては、市場の両立は無理なので、知事に再考を促すつもりの記事であった」というお話でした。
山田記者が執筆した時点では、豊洲問題に対する知識は報道レベルのものでしかなく、風評被害についても認識が甘かったことを認めて反省しておられました。(例えば、浦安系の仲卸事業者の話も知らなかった)。他社に掲載した記事ゆえになかなか対応が難しいが、東洋経済としては以前より豊洲の問題を取材しており、今後も注視していくとのこと。ぜひ新しい記事で挽回していただきたく存じます。
今回の記事については、確かに山田記者の取材不足、あるいは急いで執筆した感じが文中から伺えました。特に入稿がお盆前ということもあり、報道内部でもチェックが甘かったこともあるかもしれません。その点、報道としては問題があったと思います。
しかし、誠意をもって批判に対応していただいたこと、対話に時間を割いてくれたことは報道者として正しい姿勢です。ご対応感謝します。
私はどこまでいっても第三者ですので、このような問題のある報道には積極的に問いかけをしていければなと考えています。